外資系企業の英語面接
外資系企業の英語面接
Allyです。本日は、英語面接について書きたいと思います。
皆さんは、レジュメと言われる履歴書、職務経歴書を応募する職に合わせ都度、記載内容をきちんと吟味して書きなおして、色々なバージョンを使いこなしていますか?
一律にしていませんか?
例えば、同じポジション、業務であっても、応募する会社によって、「今ほしい技能、経験」が違うこと理解していますか?
面接英語 「あなたの長所は?」
外資系企業での英語面接に挑むにあたって、巷の英語面接本をそのまま鵜呑みにして丸暗記して使いまわしていませんか?
英語面接の中身は、応募しようとするポジションや、会社の規模によって変わります。今回採用する人にすべて任せたいのか、それともチームの一員としてやってもらいたいのか、特に今回は、この部分に強い人がほしいなど、同じポジション、業務でも求められるスキルが変わってきます。
そして、下記のような英語講師と名乗る人たちが語る一般的な内容を真に受けてテンプレート返答なんてしていませんか?
質問例:What is your greatest strengths? → あなたの長所はなんですか?
回答1:One of my greatest strengths is leadership.
私の長所のひとつは、リーダーシップです。
回答2:I am kind of person who always think positive.
私はポジティブに物事を考えるタイプの人間です。
回答3:I perform well under pressure.
私はプレッシャーに強いです。
上記をまず述べて、その後具体例を挙げながら、話を繋げるということが一般的に語られていますが、
外資系で本社による英語面接の際には、まず未来の上司となる方が出てくるわけで、上記のような、一般の日本の「人事」で済むような、あえて聞く必要もない、知る必要もない会話は、ほぼ無いと思ってください。
本社の未来の上司たちが聞きたいのは、貴方のそれまでの経歴、スキルが今、自分がほしいスキルとマッチするかを英語面接で確認するだけです。
なので、貴方の「長所」は、ズバリ、その会社が、上司が欲している「スキル」「経験」以外ないのです。
上記のような、リーダーシップやポジティブなどは、「強み」でもなんでもありません。そんなこといちいち口に出して述べるまでもなく、貴方の経歴や経験などを話している中で判断できるものです。
仮に本当にリーダーシップがあってすばらしい人であったとしても、その会社が今求めている人が、「現在のリーダーと上手くやっていける人」ということであれば、全く役に立たない強みです。
転職の際の英語面接における「強み」というのは、その企業が今求めているスキルであり、経験です。貴方の個人的な長所を述べるのではなく、上司が、会社がほしがっている業務に即したスキルを「長所」として語るのです。
いいですか!何度も書きますが、
面接で自己アピールする「長所」と言われるものは、その企業がほしいスキルと経験だけです。
どうしてもその会社で働きたいと願うなら、その会社が今回どんなスキルを、どんな経験の人を探しているのかを事前にきちんとリサーチして、その要件に自分のスキル、経験をあてはめて語るのです。そして、それが出来る人が面接に勝ち残るのです。
決して虚偽の自己アピールをするのではなく、言い方を変えるのです。表現の仕方を変えるのです。
もともと、確固たる「強み」や「飛びぬけた経験、知識」など持ち合わせている人などあまりいないと思います。そこで皆、英語面接本に書いてある「強み」なるものを必死で考えだしているというのが現実だと思います。
その必死で考え出した「強み」が、それぞれ違う企業で同じというのはおかしいと思いませんか?
「強み」が毎回同じである必然性は全くありません。
アドリブのきく方であれば、面接中、話しながら面接官の意図を察知して、自分のどこをどのように語ればいいのかをとっさに具体例を交えてお話しできるものです。
それが、面接における「強み」なる「自己アピール」法です。
面接英語と言われるものを丸暗記したり、全く役に立たない、英語面接どころか企業面接も受けた経験のない「英語教師」の語る「面接英語」などを真に受けて丸暗記してはいけないのですよ。
「リーダーシップ」というのは、皆を上手く引っ張っていくことを言いますが、これは、皆と上手くやっていけるという協調性がありますという言い方も出来る訳で、この度の求人が「今いるリーダーの元上手くやれる人」という話を面接官から聞いたその瞬間に、「上手くチームのメンバーとやっていけます。協調性があります」というようなことを具体的に募集業務の内容に落とし込むことです。あえて「協調性があります」なんていう新卒が言いそうな言葉を使わず、面接官が「協調性がありそうな人だ。リーダーと上手くやれそうだ」と思わす内容の話をするのが採用される面接英語です。
面接英語レッスン
私は、外資系企業に英語面接なしで入ってしまったのですが(詳しくはここから)、転職時に数回英語面接のレッスンに通ったことがあります。
結果を申し上げますと、その英語面接レッスンは全く役に立っていません。
講師が私の業務について全く知識がないから一般的な「長所は?」「短所は?」などで始まる応答の練習しか出来ず、面接で鋭く聞かれる、確認される質問ができなかったからです。
英語面接どころか、日本人による1次面接においても、業務に関連した(←ここ非常に重要!)鋭い的確な質問が飛んできます。そして、その質問に答えると今度は、その答えの中の疑問点などを再度質問されます。そして、こちらの知識の度合いや経験の有無をしっかり確認していきます。そして、本社面接に進めてもいいかどうかの判断をします。
本社の上司の時間を割いてまで会わせる必要のない人は英語面接には進めません。英語面接に進むためには、本社のマネジメント達と、業務についてかなり突っ込んだ話ができる知識、経験があることがまず、大前提になる訳なので、巷で実施されている「英語面接レッスン」なるものは全く役に立たないのです。
もちろん自分で面接応答集を作成できて、内容をしっかり伝えることができる人が、ネイティブ相手に面接の予行練習をしたいからという主旨であれば、大いに利用する価値ありですが、面接の応答集まですべてこちらで用意しているのに、講師が全くのアドリブが聞かず、追加の質問などもできないのでは、全く何の為にレッスン料を払っているのかと思います。
面接官として
私は面接官として何度も、部下の面接も実施していますが、レジュメに書かれている経験、スキルについて深く踏み込んでその真偽について確認しました。少し知っていた、担当者と一緒に少しだけやったことがある、部下がやったのを管理していたといったことを経歴として書く人が多く、たった一回の具体的な質問で、撃沈する人も少なからずいました。
外資系企業で、面接官となり、採用の決定権を持つのは、その部署の責任者であり、面接官である未来の上司です。その人たちは、人事でもなく、面接のプロでもありません。
一般の面接本などを参考に質問事項を考えたり、抽象的な質問をして、その回答でその人の傾向などを測るような「採用のプロ」ではなく、その募集業務のプロフェッショナルです。そうなると質問事項が業務に即したもの以外ないというのは理解できますよね。
日本の大企業などでは、人事が採用権などを握っているようですが、外資では、英語面接が要求されるようなポジション採用では、人事は採用が決まってから給料など条件面などのお話をするだけです。
キャリア採用に関しては、専門分野すぎて話の内容がわからないというのが外資の人事の通常です。なので、採用の面接は、日本の責任者、本社の責任者との面接で決まります。
以前、日本に2,3ほどしか存在しないとても専門的な部署を持つ会社にいたことがあります。そして、人事は、日本人の誰もが知っている日本の大企業から転職してきた人でした。
その人事が一度、超専門分野である部署のマネージャーを大激怒させたことがあります。原因は、専門分野であるがため、そのスキルを持ち合わせた人がなかなかいない中、やっと面接してみようという人物が現れたにも関わらず、何と、その人事が1次の人事面接のみで勝手に不採用にしてしまったのです。理由は、「あの人は面接に上下白のスーツを着て来た常識のない人でしたから、断っておきました。」ということでした。
もう、大激怒でした。「洋服なんて何着てきてもいいんだ。あんなスキルと経験のある人なんてそう出てくるもんじゃない。それに自分の部署は、営業でもないし、毎日スーツ着てくる必要もない。ラフな服で十分なんだ。履歴書に書いてあったあの資格や経験がどんなものなのかも全く理解をしていない。」と。
人事は、その不採用にした人のスキルについて、レジュメから判断すらできないにも関わらず、一般的な「黒のスーツ」を着てこない常識のない人と判断し、不採用としたということでした。
日本の大手企業ではあり得る話なのではないかと思います。
ちなみに私も面接に、黒のスーツなど着て行ったことはありません。黒どころかスーツすら着て行ったことはありません。
お洒落なワンピースに11センチヒール。黒色ではないジャケットを羽織って、胸元には、大ぶりのお洒落なネックレス。
これが私の定番スタイルで、面接にもこの格好で行きます。
外資系企業で、高収入を目指す人の英語面接で、巷の面接英語本に書かれているような新卒レベルの日本語の質疑応答で十分な英語面接が実施されることも、日本の企業の価値判断で採用が決定されることもまずありえないとお伝えして本日は終わります。